5分で読める法律の豆知識

テレビや新聞などで政治から芸能スキャンダルまで幅広いニュースを見ます。しかし、法律のことについて詳しく書かれたものはあまりみません。なので自分で勉強してみました。個人的に面白いと思ったものだけ書くのであまり網羅性はありません。なので暇つぶし程度に読んでいただければ幸いです。

家を買った。そもそも登記って何?民法第177条

 

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  夢のマイホーム。結婚をしたのを機に、マンションの購入や東京の郊外に一戸建てを買うのを検討している人も多と思います。

  ところで、一戸建て住宅を買うときに土地と建物に登記をしなくてはいけないという話を聞いたことがあると思います。

 そもそも、なぜ土地や建物を買うときに登記をしなくてはいけないのでしょうか。そこで、今回は登記が果たす役割をざっくり考えてみたいと思います。

 

1   民法第177条について

  まず、民法第177条は「不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。」と定めています。

 

 もう少し、分かりやすく条文は作ってもらいたいところですが、これが土地や建物を買うときにとても大切な条文になります。

 

 まず、「不動産」とは、日本では土地と建物を意味します。海外では、建物は土地の定着物であり、別個の不動産ではないとする国もあります。しかし、日本では、あくまでも建物も独立の不動産として扱われます。そのため、日本では、土地と建物について別々に登記をしなくてはいけません。

 

 そして、「不動産に関する物権の得喪及び変更」とは何でしょうか。

 

 ここでは便宜上、所有権を念頭に置きます。物権には、所有権以外にも、地上権、地役権、抵当権などがありますが、今回はあくまでも、所有権に沿って考えていきます。

 つまり、「不動産に関する物権の得喪及び変更」とは、土地や建物に関する所有権を取得する場合や失う場合、あるいは、変更をする場合ということになります。

 

 冒頭の例でいえば、家を買う時に、建売であれば、売買契約を締結することになりますが、この時に、売主から買主へ所有権移転登記(所有者が変更になりましたという登記)をします。逆に、建築会社と契約をして、家を建てる場合には、所有権保存登記(これからは私が所有者ですという登記)をします。

 

2   簡単な例で考えてみます

 そして、民法第177条は、このような登記をしなければ「第三者に対抗することができない。」と規定しています。では、この「第三者に対抗することができない。」というのはどのような意味なのでしょうか。

 

 例えば、AさんがBさんから建売の住宅(甲住宅)を購入しようとします。Bさんはとても愛想がよくAさんはBさんの人柄に惚れて住宅を購入することにしました。しかし、Bさんはとても腹黒い人でした。Bさんは、Aさんに甲住宅を売り、Aさんから代金5000万円をもらったにもかかわらず、すぐさま、甲住宅を6000万円でCさんに売ってしまいました。Aさんは甲住宅に引っ越し、奥さんと子供の3人で仲良く暮らしていました。しかし、Aさんは、Bさんから甲住宅を買って以降、所有権移転登記をしていませんでした。他方、Cさんは、Bさんから甲住宅を買ってからすぐに、所有権移転登記をしました。

 

 Aさんが、甲住宅を買ってから半年が経ち、Aさんはご近所の人とも仲良くなり、家族三人で幸せに暮らしていました。ところが、ある日、Cさんが甲住宅に来て、Aさんに「これは私の家だ。出て行ってくれ」と言われました。Aさんからすれば、寝耳に水の出来事ですが、この場合、Aさんは出て行かないといけないのでしょうか。

 

 答えは、そうです。

 

 この場合、出て行かなくてはいけません。つまり、AさんはBさんから先に甲住宅を購入をしていますが、登記をしていません。少しややこしい言い方になりますが、所有権は原則、売買契約の締結と同時に売主から買主に移転します。ところが、この買主が手に入れた所有権という権利は、売主及び相続人などに対しては、当然に所有権があることを主張できるのですが、この状態のままでは、所有権があることを原則、他の人に主張することができません。

 

 そのため、Aさんのように先に甲住宅を購入したとしても、後で買ったCさんに自分自身が甲住宅の所有者であることを主張できません。さらに、このように同一の不動産について二回売買(譲渡)された状況をそのままの通り、二重譲渡といいます。この二重譲渡があった場合には、先に登記を具備した方が、確定的に所有権を取得することになります。

 

 先のAさんBさんCさんの事案で考えると、Bさんを売主として、AさんとCさんに甲住宅は二重譲渡されています。そして、Cさんは先に所有権移転登記を備えているため、Cさんが甲住宅の所有権を確定的に取得することになります。

 

 その結果、Aさんは所有者ではなく無権利者となり、所有者であるCさんから、「出ていってくれ」と言われたら、出て行かざるを得ない状況になります。

 

 この場合、AさんはBさんに対して債務不履行に基づき損害賠償請求をすることができます。しかし、このような腹黒いBさんは逃亡して、行方不明になっていたり、支払った代金を使い込んでいたりと、お金が返ってこないという事態になる可能性があります。

 

 

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3   登記をしましょう

 夢のマイホーム。家を買うのは人生で一回しかないです。大切な人生の買い物絶対に失敗をしたり、トラブルに巻き込まれたくありませんよね。幸せな生活の第一歩は登記からかもしれません。

 

 

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