5分で読める法律の豆知識

テレビや新聞などで政治から芸能スキャンダルまで幅広いニュースを見ます。しかし、法律のことについて詳しく書かれたものはあまりみません。なので自分で勉強してみました。個人的に面白いと思ったものだけ書くのであまり網羅性はありません。なので暇つぶし程度に読んでいただければ幸いです。

勾留中!接見等禁止が付いた場合でも、家族と会いたい。

 

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1 勾留決定がされて接見等禁止が付けられた

 例えば、友人や家族恋人等が、警察に逮捕され、その後勾留されて、警察の留置施設に会いに行ったとします。警察から逮捕の経緯を告げられ、「そんなまさか」と驚愕しつつも、大切な人のことを想って、嫌な気持ちを押さえつつ、警察署に行きます。意を決して「○○に会いに来ました」と言いました。しかし、「接禁付いているので、無理ですね」なんて事を言われてしまうかもしれません。

 今回は、「接禁」すなわち、接見等禁止とは何か、またどのように対処するべきかざっくり考えてみたいと思います。

 

 2 接見等禁止の内容

 まず、被疑者段階の接見等禁止は、刑事訴訟法第81条・第207条1項に規定されています。

 刑事訴訟法第81条は「裁判所は、逃亡し又は罪証を隠滅するに疑うに足りる相当な理由があるときは、検察官の請求により又は職権で、勾留されている被告人と第三十九条第一項に規定する者以外の者との接見を禁じ、又はこれと授受すべき書類その他の物を検閲し、その授受を禁じ、若しくはこれを差し押えることができる。但し、糧食の授受を禁じ、又はこれを差し押えることはできない」と規定しています。また、刑事訴訟法第207条1項「前三条の規定による勾留の請求を受けた裁判官は、その処分に関し裁判所又は裁判長と同一の権限を有する。但し、保釈については、この限りでない。」と規定しています。

 

 そもそも、原則、刑事訴訟法は、被疑者が弁護人以外の者と接見をすることができるとしています。しかし、一定の事由がある場合に、被疑者が弁護人以外の者と接見することを禁止したり、家族や友人が物を差し入れたりすることを禁止しています。

  

 被疑者というと、罪を犯した人というイメージがありますよね。しかし、被疑者はあくまでも疑いがある人に過ぎず、裁判所が有罪判決を言い渡すまでは、罪を犯していないだろうと推定されることになります。これが前提です。

 

 そのため、被疑者は、勾留はされているものの原則、社会で暮らす一般の人と同じであり、家族や友人と好きな時に話ができる。あるいはこれに近い状況が保障されて当然という事が、根本的な発想にあります。

 

 そうだとすると、接見等禁止は被疑者が家族や友人と会ったり、自分の必要な物を受け取ったりすることを禁止する処分と言えます。そのため、被疑者に与える不利益はとても甚大であると言えます。

 では、どのような場合に接見等禁止が付されるのでしょうか。

 

 

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 3 接見等禁止の要件

 先ほど見た、刑事訴訟法第81条は、接見等禁止ができる要件として「逃亡し又は罪証を隠滅するに疑うに足りる相当な理由があるとき」を挙げています。ここで、重要なのは、接見等禁止をする場合、既に勾留されているため、「逃亡」については、実際にほとんど問題になりません。当然例外的な場合はあるにせよ、ほとんどのケースでは、「罪証を隠滅するに疑うに足りる相当な理由があるとき」という点が、接見等禁止をするかしないかのメルクマールになります。

 

 ここで、基本的な考え方としては、客観的な状況からみて、どのような証拠が想定でき、その証拠を隠滅したりすることが具体的に可能であるか、容易であるか、また、被疑者がそのような意思を有しているか否かという点が重要になります。

 

 例えば、住居侵入窃盗の被疑事実で勾留をされているとします。この場合、被疑者は一人でマンションに住んでいましたが、親や兄弟が被疑者の家の合鍵を持っていて、いつでも出入りすることができる状況にあるとします。この場合、被疑者の家に対するガサ入れが未だ終了していない場合ですと、被疑者が親や兄弟を使って、自分の家に行ってもらい、盗品を処分してほしい旨の指示を出す可能性があり、盗品を処分することが容易です。さらに、被疑者が、被疑事実につき否認しているというようなケースでは、「罪証を隠滅するに足りる相当な理由があるとき」に当たると判断される可能性が相当程度あるように思います。

 

 4 対処の方法

 実際に接見等禁止がされた場合には、準抗告を申し立てたり、全部あるいは一部解除の申立てをし、接見等禁止を解いてもらう方法が考えられます。ここで接見禁止ではなく、接見等禁止という言葉を使ってきましたが、そもそも、接見等禁止は、人と会う接見と物の受け渡しを禁止する処分を言います。

 

 そのため、全部解除の申立てを行う場合には全部と明記し、他方、一部解除の申し立てを行う場合には、親、友人、兄弟、だれとの接見禁止を解除をして欲しいのか、また、物の受け渡しについても解除を求めているのか、明記することが重要です。

 

 5 諦めないことが大切

 そもそも、被疑者というのは罪を犯した疑いがあるだけで、犯罪者であると確定したわけでは全くありません。特に冤罪事件では身に覚えのない罪により逮捕勾留をされることになります。そのような人が、逮捕勾留により味わう屈辱感は筆舌に語りがたいものがあります。ましてや、自分の家族や大切な人と会うこともできないとなると、精神的な苦痛は甚大です。接見等禁止がされたとしても、諦めずにしっかりと適切な対応をすることが大切です。

 

 

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