5分で読める法律の豆知識

テレビや新聞などで政治から芸能スキャンダルまで幅広いニュースを見ます。しかし、法律のことについて詳しく書かれたものはあまりみません。なので自分で勉強してみました。個人的に面白いと思ったものだけ書くのであまり網羅性はありません。なので暇つぶし程度に読んでいただければ幸いです。

逮捕されたら。それからどうなるの?

1 日々のニュースを見ていると

 「○○容疑者が、昨日××で逮捕されました。」というようなニュースをよくみますよね。毎日このようなニュースがあるような気がして、普段は聞き流している方も多いと思います。しかし、そもそも、「〇〇容疑者」は逮捕されたら一体全体どうなってしまうのでしょうか。

 

 そこで、今回は、実際に逮捕された場合に、容疑者(法律上の用語では被疑者と言います。)はどうなってしまうのか、考えてみたいと思います。

 

2 逮捕されたら

 まず、映画などで、警察官が被疑者の住居に押し入り、逮捕状を示して、「分かっているな。もう調べはついているんだ。一緒にこい。」とか言いながら、手錠をかけるシーンありますよね。この警察官がやっている逮捕を通常逮捕(刑訴法第199条)と言います。

 

 この場合、警察官は被疑者に対して逮捕の被疑事実についてやったかやっていないか等を含めて弁解の機会を与えて、弁護人を選任することができる旨を説明することが義務付けられています(刑訴法第203条1項)。

 

 警察官は被疑者を逮捕した後、警察署内にある留置施設に連行をします。通常逮捕の場合、検察官ではなく警察官が行うことが多いです。この場合、警察官は48時間以内に被疑者を検察官に引致します。検察官は一致された後に24時間以内に被疑者の弁解を聞きつつ勾留するか否かを決定することになります(刑訴法第203条第1項、第205条第1項)。

3 勾留されたら

 検察官が勾留をしようと思った場合、裁判官に勾留請求をします(刑訴法第205条第1項)。被疑者は、約3日間、警察署の中にある留置施設で過ごして、3日目に裁判所に一度行きます。裁判所では、裁判官により勾留質問が行われます(刑訴法第61条)。勾留質問では、被疑者を勾留するか否かを被疑者の意見を聞いて裁判官が決定することになります。質問では、自分が犯罪を行ったとされる被疑事実について、意見があるか否かというようなことが聞かれます。その際に、例えば、警察官から留置施設で暴力を振るわれたとか、何か留置施設内で問題がある場合には、裁判官に話して改善してもらうように掛け合うのも大切なことです。

 

 その上で、勾留決定がされた場合、原則10日間勾留がなされ、延長がある場合には通常の場合、さらに最長10日間延長がされます(刑訴法第208条第1項第2項)(厳密には再延長があり得るのですが、ほとんど実務上はありません)。

つまり、逮捕勾留で合計23日間警察署の留置施設で寝たり起きたりご飯を食べたり歯を磨いたりすることになります。

 

 この際に、接見等禁止処分というものが付されると、弁護人以外の外部の人が接見したり、物を差し入れたりすることができないことになります。

* 意外に知らないこと

 よく逮捕や勾留されているときに、「保釈されるからすぐに出てこれるよ」などという人がいますが、それは大きな誤りです。そもそも、逮捕勾留段階では、保釈制度がありません。そのため、逮捕勾留された場合には、延長を含めて最長23日間は警察署の留置施設にいることになります。もっとも、準抗告という手続きはありますが。

 

4 起訴されたら

 他方、起訴されたら保釈請求をすることができます。つまり、法律の除外事由がない場合(刑訴法第89条各号事由)や、これがあったとしても裁判官の裁量により保釈(刑訴法第90条)が認められることがあります。保釈については、ここでも重要なのは、そもそも保釈請求が認められるのは、20%台に過ぎないということです。つまり5人に1人あるいは4人に1人ぐらいしか保釈が認められていません。そのため、起訴され弁護人が保釈請求をしたとしても、保釈が認められない可能性が高いのが現状です。

 

 しかし、例えば、初犯の暴行、傷害、窃盗等の場合で、逮捕勾留中に捜査機関の捜査がほぼ終了していて、しっかりとした住居があるような場合には、保釈が認められる可能性が高いです。他方、住居が定まっておらず、身元引受人もいない、前科が複数あるような場合ですと、保釈が認められない可能性が高いです。

 

5 他人事じゃない自分の身にも起きるかも

 このように逮捕されたらどうなるかをざっくり考えてきましたが、他人事のように思う人も多いですよね。しかし、冤罪事件などいきなり、身に覚えのない嫌疑で、逮捕勾留されて23日間も警察署で過ごすことを強いられることも現実に起こり得ます。自分の身にそのような不幸が起きた場合に冷静に対処できるように心がけることが大切です。