5分で読める法律の豆知識

テレビや新聞などで政治から芸能スキャンダルまで幅広いニュースを見ます。しかし、法律のことについて詳しく書かれたものはあまりみません。なので自分で勉強してみました。個人的に面白いと思ったものだけ書くのであまり網羅性はありません。なので暇つぶし程度に読んでいただければ幸いです。

神戸市議にみる。公金不正受給問題。どうして詐欺罪になる?

<

 毎年のことですが、政治家の公金不正受給の問題が報道されています。

 

 つい最近では、神戸市議の橋本健氏が印刷費用の架空請求をしたことで、話題になりました。

 

 自首したようで、何とも潔い限りででででででです。

 

 当たり前ですが、そんなわけないですね。はい。

 

 報道の詳細は定かではありませんが、自己の広告の印刷費用の半分は架空であり、東京での勉強会に行くための交通費や宿泊費に使用していたとされています。

 

 なるほで、不倫相手・・・・一線は超えていないと弁明しているので、不倫相手と思われる国会議員に会いに行くために、架空請求で手に入れた税金を注ぎ込んだわけですね。

 

 素晴らしいです!本当に素晴らしい。

 

 不倫するために税金使って、もしかしたらプレゼントとかも税金から買っていたのかもしれませんね。

 

 今回は、このように公金の架空請求をした場合になぜ詐欺罪が成立するのか検討してみたいと思います。

 

 前提

 まず、地方議員は、法及び各種条例に基づいて、政務活動費を議会に請求して、交付される仕組みになっています。

 

 ここでの政務活動費は、議員の政治活動に必要な費用を指し、研修会に参加するための費用や先進地視察の費用、活動範囲に必要な書籍購入費等が含まれています。

 

 詐欺罪の内容

 まず、詐欺罪については、刑法246条に規定されています。まずは、条文を確認します。(問題になる1項のみ検討します)

 

 刑法246条1項は「人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する」と規定しています。

 

 この条文も比較的に分かりやすいです。

・人を欺いて

 「人を欺いて」とは、いわゆる詐欺行為を意味します。

詐欺行為とは、相手方を錯誤の陥れ、かつ当該錯誤に基づいて財物を交付させる危険性を有する行為を言います。

 

 ここで重要なのは、相手方の錯誤は重要な事項についてものである必要があります。

 例えば、振り込め詐欺の場合ですと、「母さん会社でミスしちゃって、500万円必要なんだ。直ぐに銀行で振り込んでお願い」的な事を言われて、母親が「あら。大変。直ぐに銀行に行くわ」となったとします。

 

 この場合、母親にとって、息子が大変なことになっている事が重要です。言い換えると、息子ではなく、又は、大変な目にあっていなければ、母親は500万円を出そうとはしません。

 

 つまり、重要な事項とは、当該錯誤がなければ財物を交付する危険がないと言えるような事項を意味します。

 

・財物

 財物は、基本的にお金が多いです。ですが、お金に限らず金銭的な価値を有する物であれば、なんでも大丈夫です。

 

 注意が必要なのは、例えば、「ダイエットに効果抜群○○エキス」的広告が付いた商品を買ったとします。この○○エキスは、通常1000円する代物で、かつ1000円で売られていたとします。

  

 しかし、○○エキスには美容効果はあっても、ダイエット効果は皆無だったとします。

 

 「ダイエット効果がなければ、買わねぇよ!」というのが本音だと思います。

 

 これ自体は、先ほどの重要な事項に該当するもので、広告を張る行為が詐欺行為となります。

 

 その上で、1000円を交付しています。詐欺罪の場合、個別財産の罪とされているので、1000円払って1000円の物を手に入れ全体財産の価値に変動がなくても、1000円自体を交付したことが損害となります。

 

 ゆえに、1000円自体が「財物」と認定されることになります。

 

・交付と財産の移転

 以上のように検討した結果、詐欺行為をされて、錯誤に陥り、財物を交付し、詐欺師がこれを受け取れば、詐欺罪が成立することになります。

 

振り込め詐欺の事案で言えば、

 

 詐欺行為

詐欺師>「母さん。ミスしちゃって500万円を銀行振り込んで」

 錯誤

母親>「分かった。直ぐ行く」

 交付行為

母親>銀行で振り込む

 財物移転

詐欺師>詐欺師の口座へ入金される

 財物

 500万円

 

 という感じになります。

 

 冒頭の架空請求の場合

 以上が、詐欺罪の概要です。その上で、市議の架空請求のケースを検討しましょう。

 

以下のようになります。

 詐欺行為

市議>例えば500万円の架空請求をします。

 政務活動費であることは、明らかに重要な事項であるので、架空請求が詐欺行為であることに異論はありません。

 錯誤

地方議会>本来の政務活動費用と誤信する。

 交付行為

地方議会>市議の口座に振り込む

 財産移転

市議>市議の口座に入金される。

 財物

 500万円

 

 となります。非常にわかりやすく明らかに詐欺罪が成立することが分かります。

 

 総括

 今回の神戸市議の場合、詳細な額は判明していませんが、一つ気になったのは、架空請求で手に入れたお金は、東京で開催される勉強会に出席するための交通費や宿泊費に使用したということです。

 

 そもそも、政務活動費は、幅広政治活動を対象として交付されます。極論言ってしまえば、イタリアに研修で6日間行くとします。6日間あって、合計3時間くらいしか都市や工場産業視察をしないで後は遊んでいても、政務活動費あるいは手当として費用が支給されます。

(かなり行き過ぎると、業務上横領罪や詐欺罪になる可能性はありますが)

 

 あまり報道されませんが、そういう議員もいる可能性がかなり高いです。

 

 税金の無駄遣いだとは思いますが、今回重要なのは、神戸市議が「なぜ、勉強会の交通費と宿泊費」として政務活動費を請求しなかったのかということです。

 

 通常勉強会に出席するためであれば、交通費宿泊費は政務活動費として支給される可能性が高いと思います。

 

 ここからは憶測ですので、真実はまだ分かっていません。


不倫相手と・遊んで・飲んで・泊まって、プレゼント買いまくるお金に使ったのではないでしょうか?


 

 頻繁に東京に行くのに、「勉強会」というすぐにあるかないか分かる名目で請求をすることができなかったのではないでしょうか。

 

 仮にそうだとすると、自首して取調べ中に、架空請求で手に入れたお金は「勉強会に行く宿泊費や交通費で使用した」ということがウソになります。

 

 つまり、今更ながらにすぐばれるウソをどうしてこの状況にもかかわらず続けるのか。



これらは仮定の話ですが、 

 「そりゃ女を守るためだからだよ」

 と言うかもしれません。


しかし、「お前の女に貢いだ金は、みんがストレス抱えて、稼いだ金を国が強制的に吸い上げものだからな」と言ってやりたくなります。

 


真実は未だ明らかになっていません。


どちらにせよ架空請求をしたことは市議本人が認めています。


なので、その使途についても徹底的に事実を精査して報道をした方が良い事件だと思います。