5分で読める法律の豆知識

テレビや新聞などで政治から芸能スキャンダルまで幅広いニュースを見ます。しかし、法律のことについて詳しく書かれたものはあまりみません。なので自分で勉強してみました。個人的に面白いと思ったものだけ書くのであまり網羅性はありません。なので暇つぶし程度に読んでいただければ幸いです。

許せない欠陥住宅。民法上請求できることは?

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 夢のマイホーム!

 

 あまり現実味がないように感じる方も多いかもしれませんが、最近では、千葉県、埼玉県、神奈川県の住宅開発が進んでいます。

 

東京駅まで電車で1時間以内に行け、土地と建物合わせて5000万円程で購入できる不動産が増えてきています。

 

 銀行等の金融機関も新規に住宅ローンを組みやすくするために、住宅ローンのバリエーションを増やしています。

 

 そのため、夢のマイホームは「夢ではなくなってきています!

 

 ですが、このようなマイホームを購入した後、数か月して、床にビー玉を落としたコロコロコロコロ転がって行ってしまいました。止まらない止まらない。コロコロコロコロ止まらない。

 

 また、ある日には、子供が「お父さん!わー!」と言って走ってきました。すると子供が「床がきしきしで面白かったから、跳ねてたの。そしたら、バンって床が抜けちゃった」と泣いて話してくれました。

 

「ん?なんか変だな。なんか変だな。嫌な事続くね」って感じですね。

 

 いやいや。稲川淳二のモノマネしている場合じゃありません。

 

 そのお家。はっきり言ってやばいです 。

 

 そこで、今回はマイホームを建てたところ、それが欠陥住宅だった場合に、民法上どのような請求をすることができるか検討してみたいと思います。

 

 民法上の請求

 今回は建売を購入した事例ではなく、土地を購入して建設会社と請負契約を締結したことを前提に検討します。

 

 まず、マイホームを建てる時に建設会社と請負契約(民法632条)を締結します。

 請負契約とは、請負人が仕事の完成をし、それに対して注文者が報酬を支払うことを約束して成立する契約です。

 

 マイホームの場合は、土地上に家を建てることを請負人である建設会社が約束して、注文者である私たちが、その対価として料金を支払うことを約束します。

 多くの場合は、一坪当たり○○万円というような形で算定されます。

 

 ではその上で、冒頭の床の傾き・陥没が生じた場合に、建設会社に対していかなる請求をすることができるのでしょうか。

この点、欠陥点がいかなるものであるかによって、異なる請求をすることができます。

 

 欠陥がひどい場合

 そもそも、建設会社は、請負人として契約内容に沿った家を建設する債務を負っています。この債務を、仕事を完成させる債務と言います。

 そして、仕事の完成を請負人がしない場合には、請負人は債務不履行となり、請負人に帰責事由があれば、損害賠償請求をすることが可能です。

 

 ここで問題となるのが仕事の完成です。ケースバイケースですが、住居建設の場合には、住居として一般的に備えている重要な機能を完備した場合に、仕事の完成が認められることとなります。

 

 例えば、建設会社からマイホームの引き渡しを受けて、3ヶ月で床が陥没するケースや床が著しく傾いているようなケースでは、住居として一般的に備えている重要な機能を完備しているとは言えないです。

 

 そのため、このようなケースでは、請負人である建設会社は債務不履行責任を負い、同会社に対して損害賠償請求をすることができます。

 

 ちなみに、建設途中に建設会社が勝手にやめてしまった場合には、やむを得ず他の業者に依頼して完成させたときは、他の業者に支払った費用、及び工期が延びたことによって被った損害について建設会社に賠償請求をすることができます。

 

 欠陥がひどいとまでは言えない場合

 他方、例えば、床のフローリングにワックスが適当に塗られていたため、直ぐに傷がつき、フローリングの交換を余儀なくされた場合はどうでしょうか。

 

 このようなケースでは、最低限度住居として一般的に備わっている重要な機能については完備しているため、仕事は完成しており、請負人は債務不履行責任を負いません。

 

 しかし、損害賠償請求をすることができないかというとそうではありません。

 この場合、請負人である建設会社に対して、補修するか、又は補修に必要な費用について賠償するように請求をすることができます(民法634条参照)。

 

 具体的にいうと、例えば、フローリングの傷が激しく張り替えが必要になった場合には、私たちは、建設会社に対して、張り替えをするように請求することができます。また、建設会社が信用できないと思えば、他の業者に張り替えてもらい、それに要した費用を賠償するように請求することが可能です。

 

 他方、例えば、玄関のドアをこだわっていて特殊なステンレス製の物ではなくてはいけないと言っていたとします。ところが、建設会社が間違って、通常のステンレス製のドアを取り付けてしまった場合はどうでしょうか。

 

 かなり頭にくると思います。

 

 ですが、この場合ドアの取り替え自体を請求したり、ドアの取り替えにかかった費用を全額請求することができるのでしょうか。

 

 まず、前提としてこのようなケースで欠陥があると言えるか問題となります。

欠陥があるかどうかは、民法634条の「瑕疵」に当たるかが重要です。

 

 民法634条の「瑕疵」とは、取引上通常備えているべき性質を欠くこと、あるいは、当事者が予定した性質を欠くことを言います。

 

 特殊なステンレス製のドアを私たちは契約内容として予定していたのに、これが取り付けられていないため、「瑕疵」があります。そのため、欠陥があると言えます。

 

 そのため、先ほどに挙げたフローリングの例と同様に、取り替え、あるいはその費用を請求できるように思いますよね。

 

 ところが、このケースでは、634条1項ただし書きが障害となります。同規定は「瑕疵が重要でない場合において、その修補に過分の費用を要するときは、この限りでない」と規定しています。

 

 つまり、特殊ステンレス製というのは、一般人から見たら必要不可欠とまではいえません。そのため、「瑕疵が重要でない場合」に当たります。また、ドアの取り替えには物凄く費用が掛かるため、「その修補に過分の費用を要するとき」に当たります。

 

その結果、取り替え及びその費用を請求することはできません。

 

 ちなみに、このケースでは通常のステンレス製のドアが取り付けられていて、特殊ステンレス製のドア名目的料金が請求されていることがあります。この場合建設会社に言って差額を返してもらうことになります。

 

 しかし、建設会社が返金をしない場合もあります。この場合、民事上の返還義務があることは当たり前ですが、詐欺罪(刑法246条)に当たる可能性が高いです。そのため、警察に相談して被害届を出すのが良いです。

 

 総括

 以上のように欠陥の程度で色々と請求できる要件や内容が変わってくることが分かりました。

 欠陥住宅の問題に巻き込まれる可能性は、すべての人にあります。このような問題に巻き込まれないのが一番なのですが、もし巻き込まれた場合には、徹底的に戦うことが大切です。

 

 そのためにも、建設途中の写真をしっかり撮影しておくことと、建設会社からもらった書類は全て保管しておくことが大切です。